実習と異なるお客様の車の整備 工具の使い方のコツを学び直す
Sさんは神戸出身。両親が自らタイヤ交換できるほど生活に車が密着した環境で育ち、自身もモータースポーツのファンになるなど車好きになっていきました。地元の自動車大学校へ進み、就職を機に愛知県へ。「トヨタ系の学校だったので求人はその関連先がほとんど。私はジェームスの店舗運営などを手掛けるトヨタモビリティパーツに興味があり、就職を決めました」。入社してまだ3年目の今は整備士の資格を生かし、ピットで研鑽を積む毎日です。
仕事を始めて戸惑ったのが、学校の実習で使った車と、ピットに持ち込まれるお客様の車との違い。「学校の車は代々実習で使われ、簡単にネジが外すことができる。ところがお客様の車は実際に走行していて使用年数や環境がさまざま。寒暖差や雨の影響を受け、ネジが錆びついているものもある。部品の取り外しが容易ではありません」。自分では学校でマスターしたと思っていた工具について、あらためて先輩に使い方のコツを学び直したこともありました。
また、同期の仲間が同じ店に配属され、比較されることで自分自身を見つめ直すきっかけになったことも。Sさんは整備技術に長けてはいるものの在庫管理は甘いと指摘され、同期を見習い、まねをするところから始めました。「彼の在庫管理の考え方がわかり、そこからさらに自分で工夫。リスク管理できる在庫量について、自分なりの判断基準を設けるまでになりました」。
小牧南店のSさんは4年制の自動車大学校を卒業し、一級自動車整備士資格を取得。一般的な整備にとどまらず、トラブルの原因を探求し対処できる能力を持っています。
その技術力におごることなく、フロア業務も一部担当し、最新のカー用品を学ぶ姿勢も忘れません。お客様の安全で快適なドライブのために行うピット作業の話を中心に、「愛知・愛車安全宣言」に取り組む心構えなどを聞きました。